今回ピックアップする漫画は
先日の
「ルパン三世 風魔一族の陰謀」との
『風魔』つながりで、
車田正美先生の
「風魔の小次郎」にしました。
※ 内容的には何の繋がりもありませんw
この「風魔の小次郎」の前に
『リングにかけろ』が大ヒットし、
この「風魔の小次郎」の後に
『聖闘士星矢』がメガヒット。
大ヒットした
「リンかけ」と「星矢」の間にはさまれ
その『ツナギ』として描かれた感も
否めない作品ではあります。
しかし!
リンかけで確立された
「車田バトル」をしっかりと受け継いでおり
後の世界的人気作・聖闘士星矢につながる
世界観を持つ本作は、
単なる「ツナギ漫画」じゃありません!!
今回は
そんな不遇な名作
「風魔の小次郎」の魅力を
発掘してイキたいと思います。
【風魔の小次郎】作品データ
現代に生き残った忍
風魔一族の少年・小次郎。
彼の闘いを描く忍者漫画…
ではありません。
車田カラー満載の
「木刀バトル漫画」です(笑
| 作品名 | 風魔の小次郎 |
| 作者 | 車田正美 |
| 連載誌 | 週刊少年ジャンプ(集英社) |
| 連載期間 | 1982年(昭和57年)~1983年(昭和58年) |
| 単行本 | 全10巻(文庫版、ワイド版は全6巻) |
| 電子書籍 | あり |
【風魔の小次郎】ストーリー(第1部)
それではまず
本作「風魔の小次郎」の
ストーリーから紹介していきます。
本作のストーリーは
次の3つの部分に大別可能。
- 第1部・夜叉篇
- 第2部・聖剣戦争篇
- 第3部・風魔反乱篇
ここでは
第1部・夜叉篇のストーリーを
簡単に解説しますね。
※ 以下、ネタバレあり
中央アルプスの山中に暮らす
忍者の末裔「風魔一族」。
その風魔一族の少年・小次郎が
本作の主人公です。
ある日
小次郎の暮らす風魔の里に
東京の「白凰学院(学校ね)」から
使者が訪れます。
風魔一族の総帥と白凰学院の前総長は
古くからの知り合いで
現総長の「北条姫子」に
力を貸して欲しいと請われた総帥。
彼は、小次郎を助っ人として
白凰学院に派遣することにします。
白凰学院は
ライバル校である誠士館のバックに
「夜叉一族」と呼ばれる
忍者集団が付いていることを知り、
ならばと
風魔一族を頼ってきたのでした。
単身、白凰学院に赴いた小次郎は
迫りくる夜叉一族を次々と討伐。
しかし、そこへ
夜叉一族最強の男
飛鳥武蔵(あすか むさし)が立ちはだかり
舞台は風魔一族と夜叉一族の
生き残りを懸けた
忍戦争へと発展していくのでした…。
これが
第1部・夜叉篇のあらすじ。
小次郎の仲間や
夜叉一族の同胞が入り乱れて闘い
最期は、小次郎と武蔵の一騎打ちで
幕を閉じることになります。
(©車田正美/風魔の小次郎 第2巻)
と、
サラッと終わらせてしまいましたが
その理由は
この第1部が「序章」に過ぎないから。
本作で
最も面白く、かつ
車田カラーが全開になるのは
次の「第2部」。
続いては
そのメインとなる第2部を
紹介していきます。
【風魔の小次郎】魅力検証(ストーリー/第2部)
第2部は「聖剣戦争篇」と呼ばれ
車田先生の特色が
最も色濃く反映されたエピソード。
なぜなら、この第2部には
本作のシンボルである
「聖剣(木刀)」がでてくるから。
基本的に
小次郎たち忍者は
真剣ではなく
「木刀」を武器に戦います。
その中で、忍者特有の
忍術(のようなもの)を使っての
バトルも描かれる、のですが…。
第1部の中盤から超能力の使い手
(サイキックソルジャーと称される)も現れ
もはや、忍者という設定が
意味をなさなくなってきます(笑
小次郎も、序盤では
忍術(らしきもの)を使うんですけど
それも最初だけでしたね~。
そこへ来ての
「聖剣戦争篇」への突入。
文字通り「聖剣」
つまり木刀を武器にした
バトルが描かれることになり、
忍者という設定はどこへやら…
というのが第2部の大筋です。
でもですね。
コレこそが
車田マンガの真骨頂!
なんですよ。
「いきなり
突飛な設定やストーリーがぶち込まれる」
のが、この先生の持ち味。
そしてソコから
「怒涛のおもしろさ」が繰り出されるのも
車田作品の特長と言えます。
その突飛な設定や展開が
作品を「より面白くする」という部分も
車田マンガの魅力なんですね~。
だ・か・ら
「なんで急にこんな展開になるの?」
とか考えてはいけません。
車田マンガとは
『そういうもん』なんです(笑
さて、
そんな聖剣戦争篇の見どころは
やっぱり「聖剣」と
「聖剣を使ったバトル」。
第2部のストーリーそのものは
さほど重要ではありませんww
前述したとおり
聖剣と言っても「木刀」なんですが
木刀と侮ってはいけませんよ。
この木刀が
メチャメチャかっこよく
「聖剣」として描かれているのです。
全部で10本の個性的な聖剣(木刀)が
出てくるのですが
それぞれが凝ったデザイン&能力。
「レプリカが売ってたら欲しい!」と
思っちゃうくらいの出来栄え。
その一部をお見せすると
こんな⤵感じ。
(木刀とは思えませんが、木刀です)
(©車田正美/風魔の小次郎 第7巻)
ちなみに
10本の聖剣には名前が付いていて
それぞれこのようになっています。
- 風林火山(ふうりんかざん)
- 黄金剣(おうごんけん)
- 白朧剣(びゃくろうけん)
- 征嵐剣(せいらんけん)
- 紅蓮剣(ぐれんけん)
- 雷光剣(らいこうけん)
- 紫煌剣(しこうけん)
- 十字剣(じゅうじけん)
- 幻夢氷翔剣(げんむひしょうけん)
- 鳳凰天舞(ほうおうてんぶ)
主人公の小次郎が使うのは
1.の風林火山。
冒頭のコミックス表紙で
小次郎が持っている木刀ですね。
他の聖剣の
形状や能力・使い手などは
本編で確認してくださいね。
これら10本の聖剣を武器に
小次郎チーム5人(5本)VS
敵さんチーム5人(5本)の
「木刀バトル」が展開されるワケですが、
やっぱり
その描写も「車田バトル」全開。
大ゴマ・見開きなどの
大胆で独特なコマ割り。
ダイナミックな必殺技と
これまた個性的な擬音。
まさに車田先生オリジナルの
全開バトルが描かれています
※ 本作は、特に見開きページが多い
なお、小次郎チームとして闘う
5人の戦士は
下図のコミックス表紙に描かれている
5人です。
こんな風に
「リングにかけろ」で確立された
車田バトルの系譜は
「風魔の小次郎」を経て
「聖闘士星矢」へと
受け継がれることになるのですね。
さらに、本編(第2部)には
宇宙・輪廻・カオス・コスモなど
後の名作「聖闘士星矢」に
つながるような設定も散見。
上のコミックス第6巻の
表題を見てください。
「コスモ集結の巻」と
なっていますよね。
聖闘士星矢のコスモ(小宇宙)とは
ちょっと違うものの
それでも小次郎たち5人を
「コスモの戦士」と呼んだりして
おそらく聖闘士星矢に引き継がれたのだろうな
という設定があるのです。
だ・か・ら
「ツナギ漫画」なんてとんでもない!
リンかけで確立した車田バトルの系譜と
本作で開花しつつある世界観を
聖闘士星矢へ「引き継ぐ」という
ミッシングリンクの役割を果たす
「名・引き継ぎ漫画」!
それが「風魔の小次郎」なんです!
…
……
………
…………
いや
それって結局
「ツナギ漫画」と一緒なんじゃ…。
イエイエ、
「ツナギ漫画」じゃありませんよ。
「ミッシングリンク」です。
だって
風魔の小次郎がなければ
聖闘士星矢は生まれなかったんですから。
(たぶん)
さあ、
胸を張って言いましょう。
風魔の小次郎は
「名・引き継ぎ漫画」だと。
【風魔の小次郎】おまけ(ストーリー/第3部)
ということで
「風魔の小次郎」の魅力を
お分かりいただけましたでしょうか?
最後に
残った第3部の内容に触れておきます。
え~、第3部はですね。
「おまけ」です(笑
本来であれば
第2部で完結していてもよかったところを
ちょっとだけ引き延ばした「おまけの部」。
それが、第3部。
内容としては
風魔一族の内乱を描いた
ストーリーになっていますけど。
第2部の終わり方が
ちょっと尻切れトンボだったため
仕方なく引き伸ばしたとしか思えません。
稀代の「迷」ストーリーテラーの
車田先生らしく
第2部であれだけ盛り上げた
聖剣などもまったく出てきませんしね。
そのため
ちょっと盛り上がりに欠ける内容でもあり
詳細は割愛しま~す。
※ 本編でご確認をww
このように
本作「風魔の小次郎」は
第1部では忍者同士の対決、
第2部では聖剣を使った戦いと、
それぞれ特長の異なるバトルが
描かれています。
それにプラスして、
第3部のおまけが付いている
といった感じでしょうか。
もちろん
「リングにかけろ」で確立された
ダイナミックなバトル描写を
きちんと引き継ぎ、
このあと大ヒットを飛ばす
「聖闘士星矢」へとつながる世界観を有した
漫画である点も見逃せません。
ですから
「リンかけ ⇒ 星矢」の間を
埋めるための
「ツナギ漫画」ではなく、
「リンかけ ⇒ 小次郎 ⇒ 星矢」と
車田先生の作風を進化させながら
引き継いでいくための
「ミッシングリンク」という意味で
『無くてはならない名作』
と言ってイイのではないでしょうか。
昭和の情熱は新たな次元(AI)へ
今回ご紹介した
『風魔の小次郎』は
けっこう「男くさいマンガ」で
先日の「バビル2世」と同じく
ヒロイン要素が少ない。
まぁ、女性キャラも
チョロッとは登場しますが。
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