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彼は今も「マスター」だったよww【MASTERキートン Reマスター/長崎尚志:浦沢直樹】考察と感想

マンガ(平成)

昭和の終わりから

平成にかけて連載された

名作漫画

「MASTERキートン」。

 

今回は

その20年後の姿を描いた

「MASTERキートン Reマスター」

をピックアップしました。

 

 

以前に、浦沢先生の

唯一の隠れた名作として

パイナップルARMY

紹介しましたが、

 

個人的に

先生の作品で

いちばん好きなのは

「MASTERキートン」。

 

 

でも

本家キートンは

かなり有名だから、

 

代わりに(笑

続編の「Reマスター」を

取り上げた次第です。

 

 

極力、ネタバレのないように

いくつかのエピソードとあわせて

考察してイクので、

 

歳はとっても

前作と変わらない

「マスター」の活躍を

お楽しみください♪

 

【MASTERキートン Reマスター】作品データ

名作「MASTERキートン」から

20年後の様子を描いた続編。

 

主人公の平賀=キートン・太一

(以下「キートン」で統一)が織りなす

ヒューマンドラマが8話収録されています。

 

 

全1巻ですが

ずっしりと読み応えのある

エピソードで構成。

 

続編の名に恥じない

コチラも「名作」です。

 

彼は今も「マスター」だったよww【MASTERキートン Reマスター/長崎尚志:浦沢直樹】考察と感想

作品名 MASTERキートン Reマスター
作者 作:長崎尚志、画:浦沢直樹
連載誌 ビッグコミックオリジナル(小学館)
連載期間 2012年(平成24年)~2014年(平成26年)
単行本 全1巻
電子書籍 あり

 

【MASTERキートン Reマスター】考察&感想/彼は今も「マスター」だった

では最初に

前作「MASTERキートン」の

おさらいをカンタンに。

 

 

「MASTERキートン」の

主人公・キートンは、

 

① 考古学者
② 元SASサバイバル教官
③ 保険調査員(探偵)

 

という

3つの顔を持つ中年のおじさん。

 

 

キートン自身は、生涯の夢である

「西欧文明ドナウ起源説」を証明するため

「考古学者」として研究や発掘をしたいと

望んでいます。

 

しかし

考古学の研究や発掘を行うためには

多大な資金が必要。

 

その資金(+ 生活費)を稼ぐため

元軍人の知識や経験を活かし

保険調査員(探偵)の仕事を

しているワケですね。

 

 

作中(前作)では

考古学者としてのキートンよりも

保険調査員(探偵)+ 元軍人としての

キートンが描かれることが多く、

 

保険調査の依頼人たちとの

交流をつうじて

ヒューマンドラマが

展開される内容となっています。

 

 

そんな前作の続編である本作

「MASTERキートン Reマスター」は

次の8つのエピソードで構成。

 

【第1話/眠り男】

保険調査員 + 元軍人のキートンがメイン

【第2話/親愛なるアントニヤへ】

保険調査員 + 元軍人のキートンがメイン

【第3話/マリオンの壁】

考古学者としてのキートンがメイン

【第4話/ハバククの聖夜】

保険調査員 + 元軍人のキートンがメイン

【第5話/女神とサンダル】

キートンの父親・平賀太平がメイン

【第6話/オオカミ少年】

保険調査員 + 元軍人のキートンがメイン

【第7話/マルタ島の女神】

キートンの娘・百合子が登場

【第8話/栄光の八人】

元軍人のキートンがメイン

 

 

このように、前作同様

保険調査員 + 元軍人の設定を

メインにしたエピソードを軸に

 

考古学者としてのキートンや

家族の話も絡めた

ヒューマンドラマが収録されています。

 

 

中でも印象的だったのは

第5話(女神とサンダル)。

 

キートンのお父さん

太平たいへい」さんを

メインに据えたお話ですが、

 

お父さんが出てくると

とてもハートフルなストーリーに

なるんですよねぇ。

 

前作も含め、けっこう

シリアス系のエピソードが多い中

こうした「ほっこりドラマ」もあるのが

「MASTERキートン」の面白さ。

 

 

ただし

全てのエピソードを

紹介してしまうと、

 

この後に

読む楽しみが

なくなってしまいます。

 

 

なのでここでは

第1話~第3話までの

エピソードの概要を

カンタンにご紹介。

 

ソレで十分に

本作のおもしろさが

理解わかってもらえるでしょう。

 

※ 一部、ネタバレはありますが

肝心な部分はネタバレしません

 

第1話/眠り男

ルーマニア・ブカレスト大学。

 

大勢の人たちを前に

考古学について語るキートン先生。

 

ようやく

大学の講師としての仕事を始めたか?

と思いきや、

 

10年前にドナウ川流域で

欧州最古の遺跡を発掘した人物として

「講演」を行っていただけでした。

 

 

しかし

長年の夢である

「西欧文明ドナウ起源説」に繋がる

遺跡の発掘には成功した模様。

※ 遺跡の発掘に成功した事実あり
※ 作中に遺跡発掘のシーンはなし

 

前作から20年後の世界なので

保険調査(探偵業)を

請け負っていた事務所は廃業。

 

これでようやく腰を据えて

考古学の研究に打ち込めるはず…

 

だったのですが。

 

諸々の事情により

結局、保険調査(探偵)の仕事を

続けるハメに

なってしまうのでした。

 

 

なぜ長年の夢である

遺跡を発掘したのに

探偵業を続けなければならないのか?

 

ソレは

この後のエピソードで

明らかになります。

※ 第7話くらいですかね

 

 

ここで舞台は

イタリアの

レッチェという地域に移行。

 

保険調査員(探偵)として

この地に降り立ったキートン。

 

彼は、修道院のシスターから

ある不法滞在者(男)の正体を

暴いて欲しいと依頼されます。

 

 

レッチェは

イタリアの「踵部分」に位置し

人身売買ルートの玄関口。

 

修道院では

人身売買組織から逃げてきた

女性たちを保護しており、

 

その中の

ソフィアという女性が

問題の不法滞在者と

関係があると判明しました。

 

そこで

彼女の話を聞いてみると…。

 

 

問題の男の名は、カリム。

 

ソフィアは

カリムに助けられたと証言します。

 

でも

彼について

詳しいことは何も知りません。

 

 

ただ

「ローマ時代の遺跡の話」を

してくれたことがあった、と。

 

 

そのカリムですが

実は、路上で暴漢に襲われ

病院に搬送されたまま

意識不明の重体に陥っています。

 

この暴漢に襲われた際にも

自分を逃がしてくれたと

ソフィアは証言。

 

 

しかし、修道院のシスターたちは

カリムが不法滞在者であることを理由に

ハナから悪人として見ており

人身売買組織の仲間だと疑っています。

 

一方

彼に助けられたソフィアは

カリムは悪い人ではないと言い、

 

彼の正体が知りたいと

キートンに懇願するのでした。

 

 

カリムの正体を知るため

彼の故郷である

モロッコへと向かうキートン。

 

果たしてカリムは

善人なのか?

悪人なのか?

 

暴漢が狙ったのは

カリムなのか?

ソフィアなのか?

 

そして

暴漢の正体とその目的とは?

 

 

ローマ時代の遺跡(考古学)を

絡めた内容と

博学を誇るキートンの見事な推理。

 

最後は

元SAS教官としてのスキルが

モノを言います。

 

第2話/親愛なるアントニヤへ

世界イチ美しい街

クロアチア・ドゥブロヴニク。

 

20年前

この街で起こった

クロアチア紛争。

 

その紛争に参加した

1人の兵士が

恋人に宛てた手紙が

第2話の鍵となります。

 

 

今回の依頼人は

クロアチアンマフィアの幹部と名乗る

ロベルトという男性。

 

彼は

20年前に書かれた手紙を偶然見つけ

それを手紙の受取人である女性

アントニヤに届けたいと申し出ます。

 

そのために

ザグレブ(クロアチアの首都)まで

連れて行って欲しいと。

 

ロベルトは

同業者のマフィアに命を狙われており

キートンに

護衛兼輸送係を依頼してきたのでした。

 

 

手紙の差出人・受取人ともに

ロベルトとはアカの他人。

 

アカの他人の手紙を

なぜ危険を冒してまで届けるのか?

 

訝しむキートンでしたが

敵の襲撃に遭ってしまい

迷う暇もなく

車でザグレブに向かうハメになります。

 

 

ロベルトは、ただ

 

「2人に謝りたい」

「クロアチア戦争の責任は自分にある」

 

とだけ言い

詳しいことは語りませんでした。

 

それに

興味を引かれたキートンは

彼をザグレブまで

送り届けることに同意します。

 

 

しかし道中で

なぜか

「クロアチア警察」にも追われる

キートンとロベルト。

 

2人は無事ザグレブに

到着することができるのでしょうか?

 

 

20年前の手紙に

秘められた想いとは?

 

そして

ロベルトが語る

クロアチア紛争の真実とは?

 

 

前作「MASTERキートン」でも

よく描かれた

民族紛争に関するエピソード。

 

キートンの人柄や

探偵としての信念が

垣間見える内容になっていますよ。

 

第3話/マリオンの壁

パリ第一大学で

かつての知り合い

ベコー先生の講義を聴く

キートン。

 

講義の内容は

ホメロスによって作られたとされる

長編叙事詩

「イリアス」についてのものでした。

 

 

この「イリアス」の内容は

本エピソードに深く関わってくるため

カンタンに解説しておきますネ。

 

イリアスは主に

「トロイア戦争」と呼ばれる

伝説についての叙事詩。

 

トロイアの王子パリスが

地上最高の美女ヘレネに

恋をするところから始まります。

 

パリスは

ヘレネを連れて

母国トロイアの都

イリオスに帰還。

 

ところが。

 

ヘレネは、実は

スパルタ王・メネラオスの妻。

 

2人の恋は

許されるものでは

なかったのです。

 

 

それを知った

スパルタ王・メネラオスは

兄・アガメムノンに助けを

求め復讐にでます。

 

スパルタの兄弟は

一千隻の

ギリシア連合軍を率いて

トロイアを急襲。

 

ここに

10年におよぶ

トロイア戦争の幕が

切って落とされるのでした。

 

 

有名な

「トロイの木馬」の伝説は

このトロイア戦争が

舞台となっています。

 

※ すべて作中に描かれている内容

 

 

講義のあと

ベコー先生行きつけのカフェで

歴史談義をする2人。

 

講義中にキートンが発した

トロイア伝説に関する

4つの質問について

ベコー先生の見解が披露されます。

 

 

このキートンが発した

『4つの質問』も

本エピソードを語るうえで

とても重要。

 

質問の内容は以下のとおりで

このうち①と②は

ベコー先生の説明によって解決済み。

 

① なぜ1人の女性を巡り

 ギリシアとトロイアは

 10年も戦争をしたのか?

② なぜトロイア人は

 木馬を神聖なものと思っていたのか?

③ トロイの木馬による奇襲は実話なのか?

④ 戦争に勝ったメネラオスは

 なぜ逃げた妻ヘレネを赦したのか?

 

 

その話の最中

ベコー先生が離婚したことが判明し

驚くキートン。

 

ふと店内に目をやると…。

 

奥の席に

別れたはずのベコー先生の奥さん

マリオンが

座っているではありませんか。

 

 

ベコー先生曰く

マリオンは10年ほど前に

パリへ戻ってきており、

 

毎日このカフェに

顔を出しているのだとか。

 

そして

「縄張り争いだよ…」とだけ言って

ベコー先生は

口をつぐんでしまうのでした。

 

 

その夜

ベコー先生の家で

ワインを

ご馳走になっていたキートンは、

 

屋敷の庭に

「イリオス」の1/35サイズの

ジオラマを発見します。

 

イリオスは

ギリシャ神話に登場する古代の都市。

※ 先述した「トロイア」のこと

 

現在のトルコ北西部

エーゲ海に面した地域に

あったとされています。

 

 

都市だけでなく

兵士・戦車・野営地なども

忠実に再現されたジオラマに興奮した

おじさん・キートン。

 

トロイア戦争で

ギリシア軍がどのように

イリオスを攻め立てたのか

検証を始めます。

 

講義中にキートンが発した

質問の3つ目

「トロイの木馬の奇襲は実話?」

という点について、

 

ベコー先生と2人で

色々な仮説を立てて

検証しました。

 

そこでキートンが立てた仮説が

とても説得力のあるものだったため

ベコー先生も

3つ目の質問の解答として採用します。

 

 

残る

最後の4つ目の質問。

 

戦争に勝ったメネラオスは

なぜ

逃げた妻ヘレネを赦したのか?

 

コレが

本エピソードの

ラストに繋がり、

 

ひいては

この後の第6話・第7話へと

繋がっていくのです…。

 

 

 

いかがでしたか?

 

以上が

「MASTERキートン Reマスター」の

第1話~第3話までの概要。

 

残りのエピソードも

すべて

読みごたえのある

人間ドラマを描写しています。

 

 

個人的に

オススメの第5話と、

 

上の第3話から

第6話・第7話へと繋がる

父・キートンと娘・百合子のお話も

じっくりお読みいただきたい内容。

 

 

「MASTERキートン」は

派手さはないものの

心にグっとくるエピソードが多く、

 

それでいて

主人公・キートンおじさんの魅力も

キッチリ

描き切っているのがスバラシイ。

 

見た目は冴えないオッサン

でも彼の「人間としての魅力」が

本作(前作)を

名作たらしめている要因ですね。

 

 

きっと

本作を読み終わったころには

 

嗚呼、やっぱりキートンは

「マスター」だったなぁ…

 

しみじみ

感じてもらえるでしょう。

 

 

以上で

「MASTERキートン Reマスター」の

考察&感想を終わります。

 

最後まで

お付き合いいただき

ありがとうございました♪

 

平成の「お色気不足」は、令和の「AI」で

え~

こんな素晴らしい

ヒューマンドラマを

紹介した後に、

 

こんな宣伝をして

申し訳ないんですが…(笑

 

今回とりあげた

「MASTERキートン Reマスター」に

とうぜん「お色気」などありません。

 

前作も含め

けっこー「色恋沙汰(恋愛)」を

題材にしたエピソードは

多いんですケドね。

 

 

でもそんな

名作を読んだ後こそ

必要なのが「お色気」。

 

というワケで

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