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『湘爆』より面白い!?【ちょっとヨロシク!/吉田聡】天才・羽田礁太郎の「謎」と凡人・苺谷香の「美学」

マンガ(昭和)

前々回のジャストミート

前回のぶっちぎりに続く

「週刊少年サンデー」シリーズ。

 

この頃のサンデーは

本当に面白い作品が多く

隠れた傑作漫画の宝庫。

 

そんな中のひとつ

『ちょっとヨロシク!』

ピックアップしました。

 

 

作者である吉田聡先生の

代表作と言えば

ヤンキー漫画の不滅の名作

「湘爆(湘南爆走族)」。

 

その湘爆と同じ時期に

サンデーで連載されていたのが

本作なんですケド…

 

黄金期のサンデー作品でありながら

「湘爆」の陰に隠れてしまった感がある

不遇な作品。

 

今回は

この『ちょっとヨロシク!』の

魅力を考察してイキます。

 

 

個人的には

湘爆より好きな作品であり、

湘爆より面白いと思ってます(笑

 

【ちょっとヨロシク!】作品データ

主人公の高校生

羽田礁太郎はねだ しょうたろう」が

息鳴いきなり高校を舞台に繰り広げる

「部活ギャグ」漫画。

 

学校の部活動に焦点を当てた

珍しいギャグ漫画で、

 

マイナーな運動部を中心に

バイト部、演劇部など

多彩な部活にチャレンジしますよ。

 

『湘爆』より面白い!?【ちょっとヨロシク!/吉田聡】天才・羽田礁太郎の「謎」と凡人・苺谷香の「美学」

作品名 ちょっとヨロシク!
作者 吉田聡
連載誌 週刊少年サンデー(小学館)
連載期間 1985年(昭和60年)~1987年(昭和62年)
単行本 全12巻(ワイド版は全6巻)
電子書籍 あり

 

【ちょっとヨロシク!】考察 ① 天才・羽田礁太郎の「謎」

では

本作「ちょっとヨロシク!」の考察を

『主人公』と『準主人公』に

焦点を当てつつ、進めていきます。

 

※ ストーリー紹介も含む
※ 以下、一部ネタバレあり

 

 

まずは

本作の主人公である

「羽田礁太郎(はねだ しょうたろう)」くん

から(下図の男の子)。

 

 

有名画家と有名音楽家を

両親に持つ天才児・羽田礁太郎。

 

海外から帰国した彼は

息鳴高校に入学します。

 

入学前から

「天才児が入学する!」と

話題になっていた

礁太郎くんでしたが…

 

やってきたのは

天才児とは程遠い「問題児」。

 

入学早々

番長グループとひと悶着起こし

天才児ではなく

「問題児」として扱われてしまいます。

 

 

しかし

彼の両親が

世界的に有名な芸術家と音楽家なのは

間違いなく、

 

また幼少時には

天才の片鱗も見せていたことから

学校内でも「天才派」と「凡人派」に

意見が分かれます。

 

 

さて

礁太郎の本当の姿は

 

天才?

凡人?

 

どちらなのでしょうか…?

 

 

というプロローグから

スタートする本作。

 

結論を言っちゃうと、

礁太郎は

「正真正銘の天才」です。

 

 

ただしコレは

ネタバレではありません。

 

大事なのは

礁太郎が天才か?凡人か?

という点ではないのです。

 

 

本作の重要な「謎」は

礁太郎が

天才か?凡人か?ではなく、

 

本当は天才である礁太郎が

なぜ凡人のフリをしている・・・・・・・・・・のか?

という点。

 

 

頭脳も運動も芸術も音楽も

すべての面において

人並外れた実力を持っている

にもかかわわらず、

 

礁太郎本人は

「普通の高校生」として

振る舞っているのです。

 

 

それは、なぜか?

 

 

コレが

この漫画のストーリー最大の「謎」で

かつ、『すべて』。

 

そして

その謎が解明されるには

最終回まで

待たなければなりません。

 

 

最初の「作品データ」にも

書いたとおり

本作は『ギャグ漫画』です。

 

にもかかわらず、この作りは

さすがヒット作を多く生み出している

吉田先生だなと思いますね~。

 

 

ちなみに

謎を解くヒントは

本作のヒロインで礁太郎の幼なじみ

「大森あずさ」ちゃん⤵にあります。

(©吉田聡/ちょっとヨロシク! 第1巻)

 

あずさちゃんが

どのように関わってくるのかは

本編で確認してくださいね♪

 

【ちょっとヨロシク!】考察 ② 凡人・苺谷香の「美学」

さて、続いての考察は

本作の

ギャグの要であるキャラクター。

 

この漫画には

それほど多くのキャラクターは

登場しません。

 

しかし

本作のストーリー&ギャグを

支えている重要なキャラがいます。

 

それが

息鳴高校の番長

「苺谷 香(いちごたに かおり)」。

※ 下図、後ろのゴリラみたいな男

 

 

上で、高校に入学した礁太郎が

入学早々

番長グループとひと悶着起こす

と書きました。

 

その息鳴高校の番長が

「苺谷 香」で

ケンカと体力が自慢の

ラグビー部キャプテン。

 

この苺谷のいるラグビー部に

礁太郎が入部するところから

本作の

「部活ギャグ」は始まります。

 

 

天才児と

もてはやされていた礁太郎を

こころよく思っていなかった

苺谷番長。

 

さまざまな方法で

礁太郎にインネンをふっかけ

イヤガラセを仕掛けるんですが…

 

もともと運動神経抜群の礁太郎は

ことごとく

それらを跳ね除けてしまいます。

 

さらに礁太郎くんは

ケンカでも無類の強さを発揮。

 

 

ケンカと体力だけには

自信があった苺谷番長。

 

彼は

礁太郎の実力を見せつけられて

自信喪失?と思いきや…。

 

逆に

礁太郎へのライバル心を

メラメラと燃やし、

 

次々と部活を変えて

「礁太郎との対決(部活の対決)」を

繰り広げるのでした。

 

 

このへんが

本作の素晴らしさで。

 

ケンカや暴力ではなく

あくまでも「部活動」を通して

2人が勝負するところが

吉田先生の作品らしい。

 

「湘爆」でも

最後は「バイク(走り)で決着をつける」

ってパターンが結構ありますもんね。

 

また、本当はケンカが強いのに

イザという時以外はその強さを見せない

という点も、吉田作品の特長と言えます。

 

 

そして、本作の面白さは

この苺谷と礁太郎の部活対決を

「ギャグ」として描いている点。

 

礁太郎に負けまいと

ライバル心を燃やす苺谷、

常にその上をいく礁太郎。

 

それでも

礁太郎を認めたくない苺谷の意地、

そんな

苺谷との勝負を楽しんでいる礁太郎。

 

2人を中心とした

テンポの良い掛け合いギャグが

本作最大の見どころと言えますね~。

 

 

普段はガサツで自己中な苺谷ですが

「凡人」代表として

天才に勝負を挑む姿は好感が持てるし

ホントは「良いヤツ」なんですよ。

(©吉田聡/ちょっとヨロシク! 第4巻)

 

ワタシ的には

そんな「凡人・苺谷 香」というキャラに

とても好感を持っていて、

 

彼がいなければ

本作の面白さは成り立たなかった。

※ その意味で、彼は「準主役」

 

 

なお本作は

同じ時期に連載されていた「湘爆」と

共通する部分が多い作品。

 

作品の舞台設定こそ違えど

ギャグが基本という点でも共通していますね。

 

メインのキャラ設定も似通っているので

「羽田礁太郎 = 江口洋助」

「苺谷香 = 権田二毛作」と

捉えて読んでもらっても楽しめるでしょう。

 

だから「湘爆が好き」という方には

ぜひオススメしたい漫画でもあります。

 

【ちょっとヨロシク!】考察 ③ 部活ギャグ

最後に

物語の軸となる「部活動」を

カンタンに紹介して

終わりたいと思います。

 

 

本作「ちょっとヨロシク!」は、

礁太郎と苺谷が

さまざまな「部活」で勝負する作品。

 

部活勝負(対決)と聞くと

「運動部」を連想しますが

この漫画は

運動部だけじゃありません。

 

  1. ラグビー部
  2. 水球部
  3. ウェイトリフティング部
  4. カーリング部
  5. 体操部
  6. ゲートボール部
  7. アルバイト部
  8. 演劇部
  9. クロスカントリースキー部

 

こんなカンジで

つぎつぎに部活を変え

それぞれの競技?での

勝負が描かれています。

 

 

前半は、同じ部活の部員でありながら

「礁太郎 VS 苺谷」の

「どっちが活躍できるか勝負」が

展開されることが多かったのですが、

 

中盤以降は

「息鳴高校 VS 敵チーム」

という団体勝負が多くなります。

 

しかし、全ての根底には

「礁太郎には負けたくない」

という苺谷のライバル心があり、

 

礁太郎のほうが活躍 ⇒ 苺谷の負け ⇒

面白くない ⇒ 新しい部活を作る

というパターンで

つぎつぎに部活を変えていくんですね。

(©吉田聡/ちょっとヨロシク! 第3巻)

 

作中では描かれていませんが

マイナーな競技ばかりを選んでいるのは

そのほうが「礁太郎に勝てる確率が高い」と

苺谷なりに考えた結果だと思われます。

 

 

このように

さまざまな競技を

部活動として取り上げている本作の中で

ワタシが個人的にオススメしたいのは

 

「ウェイトリフティング部」と

「ゲートボール部」のエピソード。

 

 

ウェイトリフティング部のエピソードは

息鳴高校の部員である花田秀一と

ある女の子との出会いから始まります。

 

でも

その女の子には秘密があって…。

 

彼女が引き金となり

苺谷の昔の知り合いと

ウェイトリフティングで

勝負するストーリーが展開されます。

 

本エピソードでは

前述した

ヒロインのあずさちゃんが大活躍。

 

女の子が

ウエイトリフティングで

どう活躍するか?も見ものです。

 

 

一方

ゲートボール部のエピソードは

苺谷が「逆の意味で」大活躍。

 

苺谷のヘタレっぷりが

メチャメチャ面白いエピソードですよ。

(©吉田聡/ちょっとヨロシク! 第8巻)

 

それぞれが

マイナーなスポーツのため

競技の内容やルールについての解説も

作中に描写。

 

だから

ゲートボールを

知らなくても全然OK。

 

というか

ギャグがメインだから

競技の内容は

二の次だと思って楽しんでください♪

 

 

 

というワケで、以上が

「ちょっとヨロシク!」の

考察内容。

 

本作は

湘爆と同じ時期に

連載されていたにもかかわらず

知名度では雲泥の差がある作品。

 

でも

それが不思議なくらいの

『傑作ギャグ漫画』に

仕上がっています。

 

湘爆好きな方はもちろん

湘爆が未読の方には

両作品を読み比べて

お楽しみいただければ幸いです。

 

昭和の「お色気不足」は、令和の「AI」で

今回とりあげた

『ちょっとヨロシク!』は

チョコチョコ

お色気シーンも登場。

 

ただし

吉田先生の描く女性キャラには

あまり「エロス」を感じないのが

正直なところ。

 

 

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