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本格麻雀漫画と現代的任侠漫画の傑作!【哭きの竜 外伝/能條純一】のおすすめポイント

名作マンガ(平成)

以前に紹介した「麻雀飛翔伝 哭きの竜」の続編

「麻雀飛翔伝 哭きの竜 外伝」を紹介します。

 

前作のラストシーンから10年後を舞台にした

ストーリーで、世界観や設定は前作と同じ。

 

そのため本作も、

基本的には「麻雀漫画」であると同時に

「任侠漫画」でもあるのですが。

 

ちょっと前作とは趣が異なっています。

 

 

今回の記事では、その辺りを中心に

「麻雀飛翔伝 哭きの竜 外伝」の

おすすめポイントをご紹介。

 

ぜひ最後までお付き合いください。

 

 

なお、前作「麻雀飛翔伝 哭きの竜」は

下の記事で紹介しています。

 

前作で紹介した部分は

今回あらためて解説しませんので、

こちらの記事も参考にしてください。

麻雀を知らなくても楽しめる名作任侠漫画!【麻雀飛翔伝 哭きの竜/能條純一】のおすすめポイント
今回は、ベテラン漫画家・能條純一先生の 出世作であり代表作でもある 麻雀漫画の名作「麻雀飛翔伝 哭きの竜」 を紹介します。 本作「哭きの竜」の主人公・竜は、 名前と性別以外まったく不明な謎の主人公。 名前すら「竜」としか明らかにされませんし...

 

哭きの竜 外伝の作品データ

【作品概要】

名作・哭きの竜から15年の時を経て

伝説の雀士・竜が甦る。

 

前作の衝撃のラストから10年後の日本で、

竜の強運をめぐる東西ヤクザの抗争が描かれます。

 

さらに、謎の女も登場しますよ。

 

【作品データ】

作品名 哭きの竜 外伝(なきのりゅう がいでん)
作者 能條純一
連載誌 近代麻雀(竹書房)
連載期間 2005年(平成17年)~2010年(平成22年)
単行本 全9巻(文庫版は全5巻)
電子書籍 あり

 

哭きの竜 外伝のおすすめポイント①(ストーリー)

実は、前作「哭きの竜」の内容で

あえて触れなかった箇所があります。

 

ネタバレになっちゃうので触れなかったんですが、

本作「哭きの竜 外伝」では、

それを書かないとストーリーが始まりません。

 

なので、ここで書かせていただきます。

 

前作のラストで、主人公の竜は死にます。

本作は、その竜の死から10年後の世界を舞台に

描かれた作品です。

(©能條純一/哭きの竜)

 

 

日本のヤクザ界は、

長らく東の桜道会・西の関西共武会という

2大組織が冷戦状態で仕切っていました。

 

前作の終盤で、関東一円を仕切る桜道会の

二代目となった三上信也(みかみ しんや)。

 

あれから10年。

関東のドンとして君臨してきた三上は

大阪の地に降り立ちます。

 

折しも関西ヤクザのドン

海東武(かいとう たけし)がこの世を去り、

二代目関西共武会の会長に堤薫(つつみ かおる)

が就任したばかりの時期でした。

(©能條純一/哭きの竜 外伝)

 

「関西に海東あり」と恐れられ、

全国のヤクザから一目置かれる存在であった

重鎮・海東。

 

彼は自身の後継者に、

単なる若中(幹部ではない構成員)の堤を

抜擢したのです。

 

まだ歳も若く幹部でもない堤が

関西共武会の二代目に大抜擢されたことは、

共武会内でも波紋を広げ、

堤をこころよく思っていない連中も多数。

 

そんな、まだ関西の地盤が固まってないところへ

関東のドンが訪れたことは、

関西ヤクザ界に少なからず衝撃を与えるのでした。

(©能條純一/哭きの竜 外伝)

 

 

しかし、三上が大阪を訪れた目的は

関西共武会ではありません。

 

三上は「ある男がいる」という噂を聞きつけて、

大阪に足を運んで来たのです。

 

そう、 伝説の雀士

「哭きの竜」と再会するために…。

(©能條純一/哭きの竜 外伝)

 

 

本作「哭きの竜 外伝」は、

10年前に死んだはずの竜が実は生きていた、

というところからストーリーが動き出します。

 

このあと舞台は東京へと舞い戻り、

神のような強さ(麻雀の)を持つ魔性の男

「哭きの竜」をめぐって、

新たな関東 VS 関西のヤクザ抗争が勃発。

(©能條純一/哭きの竜 外伝)

 

前作同様、相も変わらず

竜の持つ魔性の「強運」を手に入れれば、

日本を牛耳れると思っている

(勘違いしている) 東西のヤクザたち。

 

そして竜の強さの秘密に気付かぬまま、

次々と命を落としていきます。

 

ヤクザたちが欲する竜の「強運」は、

彼らにとって「凶運」でしかないのです。

 

本作のストーリーは、

終盤までこの竜を巡る東西のヤクザの抗争が

描かれることになります。

 

ただ、物語の終盤で起こる

ある事件をきっかけに

1人の「女性」が登場。

 

終盤は、ほぼこの女性を中心として

ストーリーが展開していきます。

(©能條純一/哭きの竜 外伝)

 

そのため、「麻雀&任侠」で突っ走った前作とは

一味違う仕上がりになっており、

その前作とは異なる部分が、

本作の面白さでもあるのです。

 

 

ちなみに

前作では全く描かれなかった竜の素性が、

本作で一部あきらかになりますよ。

(©能條純一/哭きの竜 外伝)

 

哭きの竜 外伝のおすすめポイント②(前作との違い)

さて冒頭でも述べたとおり、

基本的には前作の世界観や設定を

踏襲している本作ですが、

大きく異なる点が2つあります。

 

以前に紹介した記事では、前作・哭きの竜を

麻雀漫画と任侠漫画が上手く融合した名作

であると紹介しました。

 

しかし本作「哭きの竜 外伝」は

この麻雀漫画と任侠漫画のスタンスが

前作と異なっているのです。  

 

麻雀漫画としての哭きの竜 外伝

麻雀漫画として前作と本作を見た場合、

本作のほうが、

麻雀の勝負の様子をかなり詳しく描いている

という違いが挙げられます。

 

麻雀というゲームはとても頭を使うゲームで、

対戦相手との読み合い・騙し合い(心理戦)

と言ってもイイくらいの頭脳戦が展開されます。

 

確かに運に左右されることもありますが、

運だけで勝てるほど単純なゲームではありません。

 

そういった各プレーヤーの駆け引きや

手牌の探り合いなどの詳しい麻雀勝負の模様が、

前作よりも詳細に描かれているのが

大きく異なる点。

(©能條純一/哭きの竜 外伝)

 

前作「哭きの竜」では、麻雀を知らない人は、

麻雀の部分を流し読みしても

十分ストーリーは楽しめます、

と紹介しました。

 

本作「哭きの竜 外伝」も、終盤までの

「ヤクザの抗争」が描かれるストーリーでは、

同じように麻雀場面を斜め読みしても

ストーリーは楽しめます。

 

しかし終盤以降、

前述した女性が登場した後から描かれるのは

「麻雀勝負」がメイン。

 

そのため、

麻雀を知らないとストーリーが理解できない作り

になっているのです。

(©能條純一/哭きの竜 外伝)

 

ま、もともとが

麻雀漫画の専門誌で連載していた作品なので、

麻雀メインで描かれるのが当たり前と言えば

当たり前。

 

でももし麻雀を知らない人が、

前作と同じスタンスで本作を読もうとすると、

ちょっと面食らってしまうかもしれません。

 

それくらい本作での麻雀シーンの描写は、

詳しく具体的なもの。

 

「本格的麻雀漫画」としての色が強い作品に

仕上がっています。

 

ですから本作「哭きの竜 外伝」は、

ある程度

麻雀のことを知っている人におすすめの漫画

と言えるでしょう。

 

麻雀に詳しい人が読めば、

メチャメチャ面白い作品であるとも言えますね。

 

任侠漫画としての哭きの竜 外伝

続いては、本作の「任侠漫画」としての部分。

 

こちらも前作同様、ヤクザ同士の抗争をメインに、

それぞれの男の生き様を描いているのですが…。

 

何でしょう。 時代の流れですかね。

 

前作に出てきたヤクザさんのように、

ちょっと憧れてしまうような

男の生き様を見せてくれるヤクザさんが、

非常に少ない。

 

いわゆる「任侠道」とか「仁義」とか、

そういうものを重んじる風潮ではなくなって、

いかにも現代的な「クール」で「洒落た」

極道のみなさんが多いのです。

(©能條純一/哭きの竜 外伝)

 

損得勘定で簡単に仲間を裏切ったり、

打算的に義兄弟の契りを交わしたり、

極道の世界を金儲けの足掛かりとしか

考えていなかったりと。

 

「任侠」という言葉とは程遠いヤクザの姿が

そこにはあります。

 

ま、今も昔も実際のヤクザが

どのような人たちなのか、

わたしは知りませんけどね。

 

あくまでも、わたしの勝手なイメージですよ。

(©能條純一/哭きの竜 外伝)

 

現代的な腹の探り合い・相手の思惑の読み合い

によるヤクザ同士の抗争も、

麻雀の勝負に似ていて面白く読めるのですが、

 

前作の売りであった

「任侠漫画」としての魅力は少なくなっている

と言ってイイでしょう。

 

このように書くと、

本作「哭きの竜 外伝」のほうが、

前作「哭きの竜」よりも劣っている風に

思えてしまうかもしれませんが、

 

全くそんなことはありません。

 

 

詰まるところ本作は、

「麻雀漫画としての原点回帰」を果たし、

「時代に即したヤクザの抗争」を描いている作品。

 

ですから、前作とは「別物の哭きの竜」として

読むべき作品と言えるんですね。

 

本作のタイトルが「外伝」となっているのは、

「単なる続編ではない」という意味も

含まれていると解釈してください。

 

 

ということで今回は、名作麻雀&任侠漫画

哭きの竜の続編「哭きの竜 外伝」を

紹介しました。

 

前作の世界観や設定を

そのまま引き継いではいるものの、

続編ではなく原点回帰と時代即応を成して

描かれた「新作・哭きの竜」。

 

前作と併せてお読みいただければ

その違いがハッキリ分かりますので、

 

「元祖・哭きの竜」と「新・哭きの竜」の

それぞれ違った面白さを

楽しんでみてはいかがでしょうか。

 

 

そんな本作「麻雀飛翔伝 哭きの竜 外伝」は

電子書籍化されています。

 

わたしがふだん利用している電子書籍通販サイト

「ebookjapan」で試し読みが可能。

 

「哭きの竜 外伝」に興味を持たれた方は、

下の公式サイトを覗いてください。

※ 電子書籍は、文庫版(全5巻)です。

 

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