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麻雀を知らなくても楽しめる名作任侠漫画!【麻雀飛翔伝 哭きの竜/能條純一】のおすすめポイント

名作マンガ(昭和)

今回は、ベテラン漫画家・能條純一先生の

出世作であり代表作でもある

麻雀漫画の名作麻雀飛翔伝 哭きの竜

を紹介します。

 

本作「哭きの竜」の主人公・竜は、

名前と性別以外まったく不明な謎の主人公。

 

名前すら「竜」としか明らかにされませんし、

本名かどうかも不明です。

 

いやぁ、こういう正体不明で

ミステリアスな主人公を描かせたら

天下一品ですね、能條先生は。

 

おまけに麻雀のルールをよく知らないまま、

この漫画の連載を開始したそうです。

いやはや。

 

 

今回の記事では、この「麻雀飛翔伝 哭きの竜」

のおすすめポイントを紹介していきます。

 

ポイントは次の2つ。

  1. 麻雀を知らなくても楽しめる
  2. 実は任侠漫画である

 

ぜひ最後までお付き合いください。

 

哭きの竜の作品データ

【作品概要】

神のような腕をもつ雀士・竜が、

自らの命を削って麻雀を打ち続ける姿を描いた

「麻雀漫画」です。

 

と同時に、

彼を追い求めるヤクザたちの人間模様を描いた

「任侠漫画」でもあります。

 

【作品データ】

作品名 麻雀飛翔伝 哭きの竜(なきのりゅう)
作者 能條純一
連載誌 別冊近代麻雀(竹書房)
連載期間 1985年(昭和60年)~1990年(平成2年)
単行本 全9巻(文庫版は全5巻)
電子書籍 あり

 

哭きの竜のおすすめポイント①(麻雀を知らなくても楽しめます)

本作「哭きの竜」は

麻雀専門誌で連載されていた作品で、

1話に1回は麻雀のシーンが出てきます。

 

そのため、ある程度麻雀のことを知らないと

楽しめない漫画だと思われるかもしれませんが、

 

そんなことはありません。

 

本作は麻雀を知らなくても楽しめる

珍しい麻雀漫画。

 

なぜならこの作品は、

「麻雀というゲームそのもの」を

メインで描いている漫画ではないからです。

 

ただし、麻雀について知っているほうが

より楽しめるのは確かなので、

ちょっとだけ麻雀の説明をしますね。

 

【麻雀とは】

麻雀は、原則として4人で行うゲーム。

※ 3人でもできますが、2人ではムリですね。

 

それぞれが手持ちの「牌(ハイ・パイ)」を

取ったり捨てたりしながら、

一番早く「役」を完成させた者が勝ち

というルールになっています。

 

上図、白地に数字や模様が

描いてあるものが麻雀の「牌」。

 

「役」は、ポーカーで言う

ワンペアやフルハウスのようなもの。

 

「ドンジャラ⤵」っていうボードゲーム

ご存知ですかね?

(Amazon)

 

麻雀は、

このドンジャラをすこし難しくしたもの

だと思ってもらえればOKです。

 

麻雀の役はたくさんあって、

一見おぼえるのが難しそうですが、

基本的に牌の組み合わせなので

それほど難しくありません。

 

それよりも、

役による得点の計算方法を覚えるほうが

難しいでしょう。

 

ちなみに、本作のタイトルである

「哭く(鳴く)」も麻雀用語です。

気になる方は検索で調べてくださいね。

 

麻雀というゲームの一番の面白さを挙げるなら、

次の2つ。

 

  • とても頭を使うゲーム
  • とても駆け引きが重要になるゲーム

 

牌の数が多く、また役の組み合わせも多いので、

自分がどのような役を狙うのか、

戦略を立てながら戦わなければなりません。

 

さらに、対戦相手の狙い(役)も推測しながら、

相手に勝たれないようにいかにして自分が勝つか

という駆け引きも重要になります。

 

今の若い人たちには

麻雀を知らない方も多いだろうとは思います。

 

しかし個人的には、囲碁や将棋に匹敵するくらい

面白くかつ難しいゲームだと思っています。

 

ちなみに麻雀では、囲碁や将棋のように

「熟考」する人は嫌われますので。

念のため。

※ 熟考してはダメというルールはないですけどね。

 

 

と、少し話がずれましたが。

本作「哭きの竜」で描かれている麻雀のシーンは、

麻雀というゲームの過程を

詳細に描いてるわけではありません。

 

いかにして竜が麻雀に勝っていくのか?

ではなく、

 

竜という雀士が、

いかに神がかり的で圧倒的な強さを持っているか?

 

それを魅せることに重点が置かれて、

本作は描かれています。

 

ですから、麻雀に詳しくない人でも

「竜の強さ」さえ実感してもらえれば、

十分この漫画を楽しむことができるのです。

(©能條純一/哭きの竜)

 

そして、そんな鬼神のごとき「竜の強さ」が、

次々と巻き起こるヤクザの抗争の引き金

となるのでした…。

 

哭きの竜のおすすめポイント②(任侠漫画)

というわけで、麻雀を知らなくても楽しめる

本作「哭きの竜」の内容は、

基本的にヤクザの世界を中心にした

「任侠(ヤクザ)漫画」となっています。

 

【任侠とは】

「任侠」という言葉は、

しばしばヤクザさんの例えとして

用いられることがあります。

 

しかし本来の意味は、次のとおり。

 

仁義を重んじ、

困っていたり苦しんでいたりする人を

助けるために体を張る自己犠牲的精神。

 

そのため「任侠 = ヤクザ」とは

必ずしもなりません。

 

ただ本作で描かれている男たち(ヤクザ)

の生き様は、「任侠道」と呼ぶに

ふさわしいもの。

 

なのでここでは、

「任侠漫画」という表現を使っています。

(©能條純一/哭きの竜)

 

これを踏まえたうえで、

本作のストーリーを紹介していきます。

 

 

すでに「哭きの竜」の異名を取り

麻雀界で有名になりつつあった竜は、

あるときヤクザの幹部たちと雀卓

(麻雀をするための台)を囲むことになります。

 

ここでも竜は当たり前のように打ち、

当たり前のように勝つのですが、

 

その勝ちっぷりを聞きつけた「桜道会」の会長

桜田に目を付けられてしまいます。

※ 桜道会は、関東一の勢力を誇るヤクザの組織。

 

「哭きの竜」の噂を聞き及んでいた桜田は、

竜の強さをその目で確認してみたかったのです。

 

実際に卓を囲み竜と麻雀を打った桜田は

竜の底知れない「強運」に惹かれ、

どうしても竜(の強運)を手に入れたくなります。

 

そこで、側近である桜道会の若頭・甲斐正三に、

竜の処分を一任するのでした。

※ 竜本人はヤクザではありません。(一匹狼の雀士です)

(©能條純一/哭きの竜)

 

本物のヤクザさんが

どの程度麻雀をするのかは知りませんが、

本作に登場する主要なヤクザは、

みな麻雀を嗜みます。

 

そしてすべからく竜と雀卓を囲むことになり、

すべからく竜の強さに惚れ込んでしまうのです。

 

作中のヤクザさんたちは、竜の強さの秘密を

「強運」という一言で片づけており、

その強運を手に入れるため竜に麻雀勝負を挑む

という図式になっています。

 

竜(の強運)を手に入れれば、

この世界でトップに立てると。

(©能條純一/哭きの竜)

 

この「竜の強運を手に入れたい!」

というヤクザたちの思惑が、

最終的に、東日本ヤクザ VS 西日本ヤクザの

一大抗争へと発展していくことになります。

(©能條純一/哭きの竜)

 

 

しかし実際には、

どのようにすれば竜の強運を手に入れられるのか?

は具体的に描かれていません。

 

また竜自身は、己の強さを「運」ではなく

「命を削って勝負(麻雀)をしている結果」

だと述べています。

 

麻雀勝負で竜に勝てば、

竜の持つ「強運」が手に入るのか?

 

それとも、竜を殺せばその強運が乗り移るのか?

 

竜の強さの秘密は、本当に「運」だけなのか?

 

それすらも分からないまま、

竜に麻雀勝負を挑むヤクザたち。

 

その結果…。

竜に関わったほぼ全てのヤクザは、

抗争のいざこざで命を落とすことになるのです。

(©能條純一/哭きの竜)

 

そのヤクザたちの抗争は「仁義なき戦い」

ではなく「仁義ある戦い」。

 

背中に背負ってる組員たちのため、

親分のため、

兄弟のため、

己が成り上がるため、

 

そして日本のトップに立つため。

 

と、それぞれの生き様(死に様)が

際立って描かれており、

何となく「男の生き方」として

憧れてしまう部分があったりするのです。

 

昔から「任侠道」を描いた映画や小説って

人気がありますもんね。

あんな感じです。

 

 

このように、本作「哭きの竜」は、

麻雀を抜きにしても

「ヤクザの生き様を描いた任侠漫画」

として楽しめるように仕上げられています。

 

ぶっちゃけ麻雀を知らない方は、

麻雀のシーンは斜め読みしてもらっても

全然大丈夫。

 

結果的に「竜の圧倒的な強さ」

を分かってもらえればOKなので。

 

そして、任侠漫画としての本作のストーリーを

じっくりと読んでいただければ、

それだけでこの漫画の魅力は

十分堪能できると言えます。

 

漫画も人間と同じで、

先入観を持って見てしまうと、

その本当の良さに気付かないケースがあります。

 

ですから本作に対しても、

「どうせ麻雀漫画でしょ」

「麻雀知らないし…」

という色メガネを外して、

その面白さを実感してくださいね。

 

 

さて、そんな本作「麻雀飛翔伝 哭きの竜」

は電子書籍化されています。

 

わたしがふだん利用している電子書籍通販サイト

「ebookjapan」で試し読みが可能。

 

「麻雀飛翔伝 哭きの竜」に興味を持たれた方は、

下の公式サイトを覗いてください。

※ 電子書籍は、文庫版(全5巻)です。

 

ebookjapanの公式サイトを見に行く

 

 

なお本作「哭きの竜」には、

続編となる「哭きの竜 外伝」があります。

 

外伝は、本作から10年後の世界を舞台にした

麻雀&任侠マンガ。

 

こちらもあわせてお楽しみください。

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