今回は、「ドラゴンボール」で有名な鳥山明先生
の短編漫画「SAND LAND」を紹介します。
鳥山先生が意識して描いているのか、
天性のもので描いているのか分かりませんが、
「面白い少年漫画って、こういうもんだよね」。
と再認識させてくれる作品です。
子供はワクワク感そのままに。
大人は子供時代を思い出しながら。
王道少年漫画「SAND LAND」の冒険を
楽しんでください。
SAND LANDの作品データ
【作品概要】
物語の舞台は、「水」が枯渇した架空の世界。
人間である保安官と魔族の王子が
「新たなる水源」を求めて旅をする
ワクワク冒険漫画です。
短編ながら、
鳥山明先生の魅力が詰まった名作ですよ。
【作品データ】
作品名 | SAND LAND(サンドランド) |
作者 | 鳥山 明 |
連載誌 | 週刊少年ジャンプ(集英社) |
連載期間 | 2000年(平成12年) |
単行本 | 全1巻 |
電子書籍 | あり |
SAND LANDのおすすめポイント(鳥山ワールド全開)
さて、本作「SAND LAND」を紹介する前に。
ちょっとだけ、
わたしの昔話にお付き合いください。
あれは高校生の頃。
昼休みに部室でたむろしていたら、
地理を教えている先生が
部室の窓を覗きこんで言いました。
その先生は、40歳前のおじさん。
気さくな性格からみんなに好かれており
「カンちゃん」というあだ名で呼ばれていました。
学校の先生でも漫画とか読むんだなと思いながら、
傍らにあったジャンプを渡しました。
そしてジャンプを受け取ったあと、ぼそっと。
と言って、立ち去って行きました。
当時のわたしは、ちょうど少年誌から
青年誌へ移行していた時期でして。
さほどドラゴンボールに
夢中になっていたわけでもなく、
「ふ~ん、そんなもんかね」と思いながら
ヤンジャンを読んでいたのを憶えています。
で、何が言いたかったのかというと。
ドラゴンボールは初期の頃のほうが面白かった、
ということではありません。
今回紹介する漫画「SAND LAND」は、
そのドラゴンボールの初期のころを
彷彿とさせる作品である。
ということを言いたいがための昔話だったのです。
ちょうど悟空とブルマが出会って
ドラゴンボールを探す旅をするころの話ですね。
鳥山明先生と聞くと、
鳥山明 = ドラゴンボール = スーパーサイヤ人
と連想されてしまうことが多いかと思います。
ドラゴンボールがあまりにも有名すぎるので
致し方ない部分もあるでしょう。
しかし先生の漫画の真骨頂は、次の点。
- やんちゃな少年
- 渋いおじさん
- 独特のメカ
- 架空世界
- 冒険ファンタジー
個人的には、これらを描かせたら「世界一」
の漫画家さんだと思っています。
そして。
それらが全て詰まっているのが、
この「SAND LAND」なんですね~。
ということで、
本作「SAND LAND」のおすすめポイントを
紹介していきます。
本作品は、水が枯渇した架空の砂漠世界が舞台の
冒険ファンタジー。
それにプラスして、鳥山先生の真骨頂である
やんちゃな少年や渋いおじさん、
独特のメカなどが登場。
そんな鳥山ワールド全開の「SAND LAND」は、
こんな作品です。
主人公(やんちゃな少年)
本作の主人公は、悪魔の王サタンの息子
ベルゼブブ(年齢は2,500歳)。
(©鳥山明/SAND LAND)
いたずら好きのやんちゃな少年として
描かれていますが、実は心優しい魔族。
人間を殺すことはありません。
魔族なのにゲームが大好きな仲間想いの王子。
それは人間である「ラオ」の願いを聞いて、
一緒に水探しの旅に出かけるところからも
窺うことができます。
こういう人間以外の存在を
リアルな少年然として描くのは、さすが鳥山先生。
物語の最後のほうで、
魔族としての本性が覚醒しますが…。
(後は、読んでからのお楽しみ♪)
人間側の主人公(渋いおじさん)
こちらは人間側の主人公であるラオ。
この世のどこかにある幻の水源(泉)を探すため、
魔族に協力を依頼してくる初老の保安官です。
(©鳥山明/SAND LAND)
ただの保安官にしては貫禄があり、
対人戦闘や戦車などの扱いにも長けている
渋いおじさん・ラオ。
その正体は…?
(読んでからのお楽しみ♪)
独特のメカ
鳥山先生の特長は、
人物の描写とともに独特の乗り物(メカ)の描写
にもあります。
鳥山先生が描くメカのファンである、
という方々も多いのではないでしょうか。
短編である本作には
それほど多彩な乗り物は登場しませんが、
それでも主人公たちの旅の足になる
重要な戦車が登場。
ベルゼブブたちの冒険を盛り上げてくれますよ。
(©鳥山明/SAND LAND)
先生は他の作品でも、
作中や扉絵に多くの乗り物を描いていますよね。
(©鳥山明/Dr.スランプ)
(©鳥山明/ドラゴンボール)
鳥山先生の描く乗り物やメカは
絶妙にデフォルメされており、
それでいて細部までこだわっているのがスゴイ。
他の漫画家さんには
絶対にまねできない領域をお持ちです。
架空世界&冒険ファンタジー
最後に、本作の舞台となる架空世界と
冒険ファンタジーストーリーを
チョットだけ紹介します。
50年ほど昔のこと。
愚かな人間の争いと天変地異とが重なり、
地上のほとんどが砂漠化する事態が
起きてしまいます。
それでも愚かな人間たちは争いを止めず、
わずかに残った水源を求めて戦争を続けました。
(©鳥山明/SAND LAND)
その後、この世界に1つだけ残った水源を
うさん臭い国王が独り占め。
私腹を肥やす国王と水不足に悩むその他の人々
という構図が出来上がってしまうのです。
そんな世界の現状を打破するため、
ベルゼブブとラオは水探しの旅に出るのでした…。
果たして、水探しの旅の結末や如何に?
という感じのストーリーとなっています。
全1巻という短編漫画ですが、
1巻で終わらせるにはヒジョ~に惜しい内容。
広げようと思えば
いくらでも壮大な展開にできる漫画です。
ただ、あらかじめ完結までのストーリーを決めた
短編作品として描かれたらしく、
1巻で完結するのは既定路線だったそう。
この1巻で終わらせた判断が 正しかったのかどうかは、
ご自身の目で確認してくださいネ。
鳥山ワールドの魅力が満載された本作で、
少年漫画の素晴らしさを再確認してみるのも
イイかもしれませんよ。
さて、そんな本作「SAND LAND」は
電子書籍化されています。
わたしがふだん利用している電子書籍通販サイト
「ebookjapan」で試し読みが可能。
「SAND LAND」に興味を持たれた方は、
下の公式サイトを覗いてください。