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楳図かずお再考【漂流教室】に刻まれた異才の真骨頂/人間の闇を抉る狂気の演出!

マンガ(昭和)

こんにちは。

 

さて突然ですが

「楳図かずお(故人)」

という人物をご存知ですか?

(出典:Wikipedia)

 

生前は

たまにテレビにも出てましたよね。

(たま~に、ね)

 

この方、

本業はナニをされているか

知ってます?

 

本業は『漫画家』さんです。

 

 

漫画家として

主に活動されていた時期が

1970年代~1980年代だから

 

いまの若い人たちは

たぶん

知らないんじゃないかと思いますが。

 

非常に

素晴らしい作品を描かれています。

 

 

そこで今回は

漫画家・楳図かずお先生が描かれた

ワタシの大好きな作品『漂流教室』

ピックアップしました。

 

TVで見かける

けったいなオッサンは、

実は偉大な漫画家だった!

 

この『漂流教室』を通じて

その「異才」を考察してイキます。

 

【楳図かずお/漂流教室】作品データ

赤白のボーダーシャツを着て

たまにTVに出ていた

けったいなオッサン

「楳図かずお」先生の代表作。

 

本作は

「十五少年漂流記」を

現代版にアレンジ。

 

思いっきり

ホラーテイストな楳図先生の画風で

その世界観を一層際立たせていますが、

 

SF要素も加味して仕上げられた

SF少年サバイバル漫画の金字塔

です。

 

作品名 漂流教室
作者 楳図かずお
連載誌 週刊少年サンデー(小学館)
連載期間 1972年(昭和47年)~1974年(昭和49年)
単行本 全11巻(文庫版は全6巻)
電子書籍 あり

 

【楳図かずお/漂流教室】考察 ① ストーリー

では早速

漂流教室の考察①として

ストーリーから紹介していきます。

 

がっ!

 

本作は

「全体のストーリー」と「話の展開」、

そして

「ラスト(終わり方)」が一番のポイント。

 

つまり

「ストーリーで読ませる漫画」

なんですね。

 

そのため

できれば事前情報なし

(ネタバレなし)で

読むのがオススメ。

 

 

でもそうすると、

この記事を書く意味が

なくなってしまうので(笑

 

できる限り

ネタバレのないように

序盤のストーリーを

中心に紹介していきます。

 

 

ネタバレを期待していた方

ごめんなさいね。

※ 一部のネタバレはあります

 

ストーリー(1)

本作の主人公は

小学校6年生の高松 翔くん。

 

ある日、彼は

些細なことで

母親とケンカをしてしまいます。

 

「もう二度と帰ってこないから!」

そう言い捨てて学校へ向かった翔くん。

 

しかし時間が経つにつれ

お母さんに悪いことしたな、

帰ったら謝ろう…

という気持ちになっていきます。

 

 

ところが。

 

朝礼が終わった後のホームルームで

「ソレ」は突然やってきたのです。

 

「みんな、教室が動いているぞ!」

「ドッ、ドッ、ドドド、ド~ッ!」

 

轟音ともに激しい揺れが教室を襲い

悲鳴を上げる生徒たち。

 

突然のことに驚愕する生徒を

担任の先生が落ち着かせます。

「机の下に隠れるんだ!」

 

しばらくすると音も揺れもおさまり

ホッとする翔くんたちでしたが、

そのとき校庭から

大きな悲鳴が聞こえてきました…。

 

 

物語の冒頭は

主人公の翔くんとお母さんの親子ゲンカ

のシーンから始まります。

 

些細なことで起こる

よくある親子ゲンカの風景は

実は

本作の重要なポイント。

 

なぜなら

この漫画のコンセプトの1つとして

「親子の愛(絆)」

挙げられるからです。

 

 

お互い親子ゲンカのことを深く反省し

謝って仲直りしよう

と思っていた矢先に起きた大地震。

 

翔くんとお母さんの親子の絆は

この後のストーリーに

大きく関わってくるのでした。

 

ストーリー(2)

校庭で悲鳴を上げたのは

学校の先生の1人でした。

 

それを見た担任の先生は

校庭へ様子を見に行きます。

 

さらに教室の窓から

他の先生たちも揃って校門へ

駆けていくのを見た翔くんは

何事かと思い教室を飛び出しました。

 

 

「何かあったんですか?先生!」

 

翔くんの問いかけに答えず

ただ門の外を眺めているだけの先生たち。

 

その後ろから

そっと外の様子を窺った翔くんは…。

 

「あっ!」

 

そこには

誰もが絶句してしまうような光景

が広がっていたのです…。

 

 

この時の

学校の外の様子を写す

一連のシーンは圧巻で、

見開きページを2ページ連続で描写。

 

また

先ほどの大地震があった時(あった後)

の描写も圧巻のひと言。

 

 

楳図先生は

ホラータッチの人物描写で有名ですが

白黒を基調とした

緻密な風景描写も秀逸なんです。

 

 

そして

肝心の学校の外の風景はというと…。

 

上空には

厚く垂れこめる灰色の雲。

 

目の前には

地面を覆い尽くす一面の砂漠が

広がっていたのでした。

 

「一体何がどうなっているのか?」

 

 

この辺りから

本作のストーリーに

グッと引き込まれていきます。

 

ストーリー(3)

まずパニックに陥ったのは

子供たちでした。

 

急いで校内に戻った翔くんは

みんなに外の様子を告げます。

 

最初は半信半疑だった子供たちも

窓から見える風景や

屋上から見える風景に言葉を失い

パニックに陥ってしまうのです。

 

 

子供たちが真っ先に考えたのは

お父さん・お母さんのこと。

 

そして

家に帰りたいということ。

 

周りの景色の変わりようを

目の当たりにした生徒たちは

一斉に校門めがけて走り出します。

 

しかし

それを食い止めたのは

大人である先生たちでした…。

 

 

ここまでのストーリーで

最大の謎となるのは

「ここが、どこなのか?」

ということ。

 

実は

小学校(学校の敷地)だけが

別の世界に移動していたんですね。

 

ただし

「ソコが、どこなのか?」は

この時点では描かれていません。

 

それが判明するのは

もう少しストーリーが進んでから。

 

 

翔くんたちのいる世界が

どこなのか?は

この漫画の根幹に関わるため

伏せておきますね。

 

ストーリー(4)

小学校が

そっくりそのまま別の世界に移動した!

 

ということは

その敷地内にいた人間も

みんな別の世界に

移動したことになります。

 

その中には

1年生から6年生まで

幅広い年齢の子供たちが

含まれていることに。

 

 

そこで

子供たちを安心させるため

先生たちは

「ある嘘」をつくことにしました。

 

  • ここは我々が住んでいた場所とは違う土地
  • なぜいきなり違う土地に来てしまったのかは分からない
  • いま一生懸命調べている最中
  • 放送室の無線から日本のニュースが流れてきている
  • お父さんとお母さんも生きている
  • みんなを探している

 

実際には

電気・ガス・水道は使えず

電話はもちろん

電波の類いも一切入らない場所。

 

そして、現時点では

この学校にいる人間以外の生死は不明

であることも伏せておいたのです。

 

 

…が

それも長くは続きませんでした。

 

なぜならこの後

ある1人の男性を残して

大人が全員死んでしまうから。

 

 

こうして

子供たちだけの

「命懸け」のサバイバル生活

が幕を開けます。

 

【楳図かずお/漂流教室】考察 ② 人間の闇

ここまでが

「漂流教室」の序盤のストーリー。

 

本作的な

サバイバル漫画としての真骨頂は

この後から描かれます。

 

残された子供たちが

知恵と勇気と団結力で

この世界を生き抜いていく姿は

この作品の大きな見どころ。

 

しかし本作は

少年サバイバル漫画であると同時に

ある種の

「パニック漫画」でもあるんです。

 

 

いくら

子供たちだけの生活と言っても

キレイごとだけでは

生きていくことができません。

 

そこには

極限のパニック状態に陥った

子供たちの

  • 恐怖
  • 怯え
  • 悩み
  • 猜疑心
  • 仲間割れ
  • 妬み
  • 企み
  • 暴力など

「闇の部分」が必ず存在します。

 

 

特に問題となるのは

「水と食料」。

 

水と食料については

比較的序盤から

トラブルが起こるように

描かれており、

 

人間、誰しもが持つ

「本能としての食欲」

という部分の心理描写は

非常にリアル感があります。

 

 

加えて

こうしたシチュエーションでは

絶対に外せない「権力争い」。

 

子供だからと

侮ってはいけません。

  • 上に立つ者
  • それに従う者
  • 支援する者
  • 反抗する者
  • 長いものに巻かれる者など

 

十人十色な子供たちの様子が

より一層の

リアル感を醸し出しています。

 

このように

上っ面だけではない

人間の「闇」を

容赦なく描き切っているところ。

 

そこに

この漫画のスゴみというか

楳図先生のスゴさがあるのでしょう。

 

 

人間の闇の部分(心理)を

描いた作品って

読者の共感を呼びやすいんですよね。

 

そして

楳図先生のホラータッチの画風は

人間の闇を描いた世界観を

さらに際立たせてくれています。

 

あとは

けっこう簡単に

子供たちが

死んじゃったりするのも特長ですね。

 

「死のリアルさ」という点でも

読者に迫るものがあります。

 

 

ただ、そんな中

ひとりだけ

異彩を放っている人物が。

 

それが主人公の

「高松翔くん」。

 

 

人間の醜くいやらしい

「闇」の部分を描いた本作で、

翔くんは

「良心」であり「光」でもあるのです。

 

【楳図かずお/漂流教室】考察 ③ キーキャラクター

勉強はさほど出来ないものの

正義感と責任感で出来ているような

少年・翔くん。

 

子供たちの

初代「総理大臣」となった翔くんは

抜群のリーダーシップと行動力で

みんなを引っ張っていきます。

 

 

本作「漂流教室」は

最初から最後まで

主人公の翔くんを中心に

描かれている作品。

 

なので翔くんが

最もポイントとなるキャラクターです。

 

 

しかし!

 

本作には、翔くん以外にも

物語の重要なカギを握る

キーキャラクターが存在。

 

それが

「西あゆみちゃんと

「小野田勇一」くん。

 

 

最後に

この二人のキーキャラクターを紹介して

終わりたいと思います。

 

 

翔くんより

1つ年下の西あゆみちゃんは

足が不自由(松葉づえ使用)で

物静かな美少女。

(©楳図かずお/漂流教室 第2巻)

 

本作のメインヒロインではなく

あくまでも

脇役のひとりに過ぎません。

 

ちなみにメインヒロインは、

川田咲子(かわだ さきこ)という

翔くんと同じクラスの女の子です。

 

 

そんな

チョイ役の域を出ない西さんは

ストーリーの進行上、

ひっじょ~に大きな役割を担っています。

 

なぜなら。

 

もし、彼女がいなければ

翔くんは

「最低でも2回」死んでいるから(笑

 

 

彼女は

「ある不思議な能力」を持っており

その能力で

翔くんをピンチから救います。

 

そしてそれは

本作のコンセプトの1つである

「親子の絆(翔くんとお母さん)」に

大きく関わってくるんですね。

 

翔くん・お母さん・西さんの三者が

どのように関係してくるのかは

ぜひ本編で確かめてください。

 

 

でも、そんな

スゴイ力を持っている割には

ヒジョ~に「雑」な扱われ方を

されちゃうキャラでもあって。

 

ヒロインになり切れない

「脇役」という

悲しい宿命を背負っている

女の子でもありますww

 

 

続いてのキーキャラクターは

無邪気な三歳児

小野田勇一くん(ユウちゃん)。

(©楳図かずお/漂流教室 第2巻)

 

翔くんたちが

大地震に見舞われた

その日・その時。

 

たまたま・・・・

校庭で遊んでいたユウちゃんも

一緒に

この世界に来てしまったのです。

 

※ この頃の小学校は

誰でも自由に出入りできた

 

 

登場する子供たちの中で

最も幼いユウちゃん。

 

しかし、彼もまた

ストーリーに影響する

大きな役割を

2つ与えられています。

 

① ユウちゃんのお陰で

「この世界がどこなのか?」が判明する

② この無邪気な三歳児が

最期には翔くんたちの「希望」になる

 

 

ココで余談ですが、

個人的に

本作のラストは非常に良い終わり方

だと思っていまして。

 

どこがどうスバラシイのか、

詳しく説明したいんです。

 

そこに

ユウちゃんがどう絡んでくるのかも。

 

でもそれだと

単なるネタバレサイトと同じ

になってしまうので…。

 

ガマンして書きません!

※ ぜひ本編で、ご確認を

 

 

このように

主人公の翔くん以外にも

ストーリーの進行上重要なカギを握る

キャラクターが2名存在。

 

あゆみちゃんとユウちゃんに共通する点は

サバイバル生活をしていくうえで

「足手まといになる」キャラであること。

 

あゆみちゃんは足が不自由なため

松葉づえが無いと歩くことができません。

 

だから、何をするにも

他人より一歩も二歩も遅れをとることになり

そのたびに翔くんたちが

手を差し伸べなければならないのです。

 

 

また、ユウちゃんは

三輪車に乗るしか能のない三歳児。

 

こちらも

足手まとい以外の何者でもありません。

 

 

そんな

足手まといにしかならない2人を

 

あえて

重要なキーキャラクターとして

設定した点に

楳図先生の優しさを感じてしまうのです。

 

そして

この2人を『絶対』に見捨てない

男の中の男、主人公の翔くん。

 

ホント立派な

本作の「良心(光)」としての役割を

果たしています。

 

 

 

ということで、以上が

極力ネタバレなしで書いた

「楳図かずお/漂流教室」の考察。

 

ボキャブラリーも文章力もないんで

スミマセンね、ホント、

上手く伝わったでしょうか?

 

それもこれも

できるだけ素の状態で

「漂流教室」という名作を

楽しんでもらいたい配慮から。

 

何卒、ご了承ください(笑

 

 

でもですね

本作の見どころは

まだまだ他にもあります。

 

子供たちが

知恵を振り絞り、力を合わせて

困難を乗り越えていくシーンなども

まぁ、カンドー的かな(笑

 

 

そして迎える最終回。

 

ラストシーンを

あなた自身の感性で受け止めれば

「あ~、良いマンガ読んだな~」と

きっと思ってもらえるでしょう。

 

 

さらに

「楳図かずお」なる

けったいなオッサンが

 

実は

超スゲー漫画家だった!

 

思い知らされるでしょう。

 

そんなアナタの感動と驚きを

遠い空から期待しております(笑

 

昭和の「本能」は、令和の「AI」で

今回とりあげた

「楳図かずお/漂流教室」の

ポイントは

『剥き出しの人間の本能』。

 

その『極限の感情』こそが

我々を惹きつけてやまない

魅力の正体かもしれません。

 

 

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