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ドロドロの三角関係を描いた「大人の」少年マンガ【たとえばこんなラヴ・ソング/北崎拓】

名作マンガ(平成)

今回紹介する漫画は、

男女の三角関係を描いた作品

「たとえばこんなラヴ・ソング」です。

 

まずこの漫画が、週刊少年サンデー

で連載されていたことに驚きました。

 

けっこうフクザツな三角関係を描いた作品でして

そこに「爽やかさ」はなく、むしろ「ドロドロ」。

 

サンデーよりもビッグコミックスピリッツ

とかのほうがしっくりくる感じがしましたね。

 

ま、当時のスピリッツには

「恋愛の教祖・柴門ふみ先生」がいましたので、

サンデーで連載したのかもしれませんが…。

 

いずれにしろ当時のトレンディドラマ

を意識して描かれたような、

純愛ラブストーリーの隠れた名作

と言ってイイでしょう。

 

 

今回の記事では、

そんな「たとえばこんなラヴ・ソング」の

おすすめポイントを紹介していきます。

 

ぜひ最後までお付き合いください。

 

たとえばこんなラヴ・ソングの作品データ

【作品概要】

主人公の高校生・高瀬龍介(たかせ りゅうすけ)

と今カノの八木真里子(やぎ まりこ)。

 

そして元カノの七穂 瞳(ななお ひとみ)

の3人による三角関係ラブストーリー。

 

高校生たちの揺れる恋心を描いた、

「大人」の恋愛漫画です。

 

【作品データ】

作品名 たとえばこんなラヴ・ソング
作者 北崎拓
連載誌 週刊少年サンデー(小学館)
連載期間 1990年(平成2年)~1991年(平成3年)
単行本 全6巻
電子書籍 あり

 

たとえばこんなラヴ・ソングのストーリー

本作「たとえばこんなラヴ・ソング」

を読んで最初に感じたのは、

 

この内容で「高校生の恋愛」を描くのは

無理があるんじゃないか?ということでした。

 

この漫画で描かれる恋愛模様は、

男と女のフクザツな恋愛心理

に重点を置いています。

 

なので「高校生でこういう恋愛するかな?」

というのが率直な感想でした。

 

しかし、週刊少年サンデーで連載されていた漫画

だということを知って納得。

 

中学生以下の恋愛としては大人すぎるし、

かといって大学生・社会人をメインにすると

読者層とかけ離れてしまうため、

ギリギリの「高校生」に設定したのでしょう。

 

まぁ登場人物たちが「真剣に純粋に恋愛する姿」

を描くには、

高校生くらいでちょうどよかったのかなと。

 

ただ個人的には、

大学生より上の年代で描いたほうが、

よりリアルさが出ただろうと

今でも思っています。

 

 

そんな本作のストーリーは、

主人公・高瀬龍介(たかせ りゅうすけ)と

ヒロインの一人・七穂 瞳(ななお ひとみ)が

別れるシーンから始まります。

 

【ストーリー①】

中学2年生から付き合っていた龍介と瞳は、

同じ葵学園という高校に合格します。

 

しかし、春から同じ高校に通えることを

喜んでいた龍介は、とつぜん瞳から

別れを切り出されてしまうのです。

 

「あたしたち、もう終わりにしようよ」

(©北崎拓/たとえばこんなラヴ・ソング)

 

それは、

「すごい風ね」

とでもいうような軽い調子のひと言でした。

(©北崎拓/たとえばこんなラヴ・ソング)

 

そして瞳は、

理由も告げずに九州(熊本)へ引っ越し。

 

傷心のまま高校へ入学した龍介は、

失恋のショックを抱え

1年間を過ごすことになります。

 

【ストーリー②】

高校2年生になった龍介の隣には、

八木真里子(やぎ まりこ)という女の子が。

 

長い黒髪だった瞳とは違う

ショートカットの真里子は、

龍介の2度目の恋の相手。

 

そう新しい彼女です。

 

あたし、

いつも龍ちゃんのことばっかり考えてるわ、

いつもいつも…。

 

一途に龍介を想う真里子の想いに

真剣に応える。

 

幸せな2度目の恋を満喫していました。

(©北崎拓/たとえばこんなラヴ・ソング)

 

そんなある夜。

部屋のカーテンを閉めようとした龍介は、

電柱の陰に女性が隠れているのを見かけます。

 

真里子だと思った龍介は声をかけますが、

その女性は直ぐに立ち去ってしまいました。

 

片方のイヤリングを残して…。

(©北崎拓/たとえばこんなラヴ・ソング)

 

龍介の2度目の恋のお相手は、

葵学園の同級生・八木真理子という

ショートカットの可愛らしい女の子。

 

映画の半券を「龍介とのデート記念」

として大事に取っておく、

そんな彼女は本作のもう一人のヒロインです。

 

【ストーリー③】

あくる日。

学校へ行った龍介は、

拾ったイヤリングを真里子に見せて

昨夜のことを確認しようとします。

 

しかし、真里子の口から出たのは

意外な言葉でした。

 

かわいー、これあたしにくれるのォ!?

(©北崎拓/たとえばこんなラヴ・ソング)

 

龍介からもらう初めてのプレゼントだ

と言って喜ぶ真里子。

 

じゃあ、昨日のアレは誰なんだ?

はしゃいでいる真里子をよそに、

そう訝しむ龍介でした。

 

実は、龍介が学校へ行くとすぐ、

親友の岡部から

「転入生が来る」という情報を聞かされます。

しかも「けっこうな美人」だとの噂。

 

しかし龍介は意に介さず、

この重大な情報を受け流してしまうのです。

 

【ストーリー④】

片方しかないことをチョット不満に

思いながらも、早速左の耳に

イヤリングを付けてみる真里子。

 

本当に嬉しそうな顔をする真里子を

「かわいいな」と思いながら、

2人で教室へ向かいます。

 

すると、先ほど岡部が話していた

転入生と思われる女の子が、

前から歩いて来るではありませんか。

(©北崎拓/たとえばこんなラヴ・ソング)

 

転入生のことなど

全く気にしていなかった龍介でしたが、

その顔を見て

その場に立ち尽くしてしまいます。

 

ひ…瞳…!?そ、そんなバカな!?

 

前から歩いて来るのは、かつての恋人、

九州へ引っ越したはずの瞳だったのです。

 

龍介の驚いた様子に気付きながら、

何も言わずに通り過ぎる瞳。

 

そしてすれ違いざまに長い髪をかき上げ、

右耳に付けた「もう片方のイヤリング」

を見せつけるのでした…。

(©北崎拓/たとえばこんなラヴ・ソング)

 

ここまでが第1話のストーリー。

 

まさしく、これから始まる「三角関係」を

予感させるプロローグとなっており、

 

このあと最後まで(第6巻まで)

龍介・真里子・瞳の三角関係ラブストーリーが

続くことになります。

 

女性向けの三角関係漫画は

読んだことがないので分かりませんが、

 

男性向け漫画の場合、

大抵は「男1人・女2人」のパターンで

ストーリーが展開されます。

 

で、結局のところ

「どのキャラクターに感情移入するか?」

によって、その作品の受け取り方が

変わってしまうものなんですね。

 

要するに、

どっちのヒロインが好みか?

ってことです。

 

本作も、見た目・性格ともに異なる

「真里子」と「瞳」という2人のヒロインの

どちらに感情移入できるか?

を楽しみながら読んでいただければと思います。

 

たとえばこんなラヴ・ソングのおすすめポイント

さて。

男女の三角関係を描いた漫画は、

名作から駄作まで昔から数多く描かれています。

 

三角関係がメインでなくても、

本編の1つの要素として

取り入れられることも多いですよね。

 

そのためラストの展開も

いくつかのパターンに限定されており、

読者もそれを期待して

読んでいる部分があるでしょう。

 

正直、他の漫画との差別化を図ろうと、

あまりにも奇をてらった結末

というのは逆に面白くありません。

 

本作「たとえばこんなラヴ・ソング」のラストも

それらの例にもれず、

ある人にとっては「やっぱりね…」

またある人にとっては「そっちなの?」

という結末になっています。

 

さっきも言ったとおり、こういった漫画では、

結局「どのキャラに感情移入できるか?」

が一番大事。

 

加えて、それと同じくらい重要になるのが

「ラストに至るまでの過程」です。

 

そういう意味で本作の見どころは、

ラストに至るまでの男女の心理状態を

「人間のイヤな部分」

を中心に描いている点にあります。

 

一見すると、

真剣に恋をする高校生たちのラブストーリー

として取れなくもないのですが、

そこには、若者ならではの「爽やかさ」は

微塵もありません。

 

誤解やすれ違い程度ならまだかわいいモンで、

嫉妬・憎悪・復讐・嫌がらせ・NTRなど。

 

およそ少年誌の連載漫画とは思えない心理描写

が数多く描かれています。

 

わたしが冒頭で、「高校生の恋愛漫画」

として描くのは無理があるのでは?

と言った理由はここにあるのです。

(©北崎拓/たとえばこんなラヴ・ソング)

 

(©北崎拓/たとえばこんなラヴ・ソング)

 

もう一度繰り返しますが、

この漫画には若者の恋愛を象徴する

「爽やかさ」は全くありません。

 

むしろドロドロの三角関係と言ってイイでしょう。

 

さらに真里子のパートでは、

龍介に想いをよせる悪女・樹 美保(いつき みほ)

が登場。

 

何とかして龍介と真里子の仲を引き裂こうとする

彼女の姿は、もはや高校生のソレじゃありません。

(©北崎拓/たとえばこんなラヴ・ソング)

 

一方の瞳サイドでも、

緒沢誠一郎(おざわ せいいちろう)

という大学生が登場。

 

瞳が龍介に惹かれていると知りつつも、

一途に瞳を想う健気なピエロ役を演じます。

(©北崎拓/たとえばこんなラヴ・ソング)

 

この二人の登場によって新たな三角関係もうまれ、

ドロドロの展開に拍車がかかっていきます。

 

途中、龍介が交通事故にあったり、

終盤で瞳の家族に関するトラブルが勃発したり

というエピソードも経て。

 

龍介・真里子・瞳の

三角関係ラブストーリーはクライマックスへ。

 

この三角関係の結末がどうなるのか!?

は、ラストまでのお楽しみデス。

(©北崎拓/たとえばこんなラヴ・ソング)

 

ただですね。

最終回の終わり方は、

わたし的にとてもイイ終わり方

だったと思っています。

 

人間のイヤな部分にスポットをあてて描かれた

この漫画も、ラストだけは、

 

若者らしい「爽やかさ」を感じられましたから。

 

 

ということで今回は、

北崎拓先生の「たとえばこんなラヴ・ソング」

を紹介しました。

 

本作は、少年誌で連載していたのが

不思議なくらいの「大人の」三角関係漫画。

 

なので、すでにそれなりの恋愛を経験した

ある程度の年齢の方々におすすめしたい作品です。

が。

 

あえて、あまり恋愛経験のない若い方々にも

チャレンジしていただきたい

ラブストーリーでもあります。

 

 

さて、そんな「たとえばこんなラヴ・ソング」は

電子書籍化されています。

 

わたしがふだん利用している電子書籍通販サイト

「ebookjapan」で試し読みが可能。

 

「たとえばこんなラヴ・ソング」

に興味を持たれた方は、

下の公式サイトを覗いてくださいね。

 

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