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【虐殺器官/伊藤計劃:麻生我等】SF小説の名作をコミカライズ!|おすすめの青年SF漫画

おすすめマンガ

今回は、有名なSF小説をコミカライズした作品

「虐殺器官」を取り上げます。

 

ジャンル的には「SF漫画」ですが、その内容は

ミステリー、サスペンス、ホラー、社会派ドラマ、

そしてアクション要素も詰まった中身の濃い作品。

 

ただし。

かなり難解な漫画です。

 

じっくり読み進めるか、何度か読み返さないと

ストーリーが理解できないかもしれません。

 

今回の記事では、

そんな「虐殺器官」のおすすめポイントを

ネタバレなしで紹介していきます。

 

じっくりと読みこめば非常におもしろい作品です。

ぜひ最後までお付き合いください。

 

虐殺器官の作品データ

【作品概要】

舞台は近未来の地球。

一部の地域で不可解な大量虐殺が頻発する。

 

事態を重く見たアメリカは

秘密裏に情報収集を行うとともに、

虐殺の首謀者と思われる要人たちの

暗殺に乗り出す。

 

しかし、世界中で巻き起こる虐殺の陰には…。

 

驚愕の真相が隠されていた。

 

【作品データ】

作品名 虐殺器官
作者 原作:伊藤計劃/ProjectItoh、作画:麻生我等
連載誌 月刊ニュータイプ他(KADOKAWA)
連載期間 2015年(平成27年)~2017年(平成29年)
単行本 全3巻
電子書籍 あり

 

虐殺器官のおすすめポイント①(ストーリー)

最初に述べたとおり、本作「虐殺器官」には

原作である小説が存在します。

 

そのため本作の最大のおすすめポイントは、

何と言っても「ストーリー」。

 

ここでは、そのストーリーを

登場人物なども交えながら紹介していきます。

(ネタバレなしです)

 

【虐殺器官ストーリー①】

舞台は近未来の地球。

 

ジョージアの首都トビリシの上空を舞う

謎の飛行物体から、

4つの楕円形のカプセルが射出される。

 

地面に落下したカプセルの蓋が開くと、

中にいた4名の兵士が大地へ降り立った。

 

若き青年「クラヴィス・シェパード」を

リーダーとする4人は、

この地で2名の虐殺首謀者を暗殺するために

アメリカが送り込んだ暗殺部隊だった。

 

本作は、現代よりも進んだ科学技術を持つ世界

を舞台にした、近未来SF漫画です。

 

サラエボにて、世界中を震撼させる

核爆弾テロが起こった後の世界が描かれており、

これをきっかけに各地でテロや紛争(大量虐殺)

が続発するという設定になっています。

 

アメリカをはじめとする先進諸国は、

これらのテロ行為を防止するための対策として、

厳格で強固な「個人認証システム」を構築。

 

人々は何をするにも認証による許可が必要となる。

そんな近未来の姿が描き出されているのです。

 

【虐殺器官ストーリー②】

最先端の科学技術を用いて

ターゲットの潜むアジトに到着した4人は、

二手に分かれて作戦の実行に取りかかる。

 

クラヴィス・シェパード(以下、クラヴィス)

は、建物内にひびくピアノの音色

に誘われるように1つの部屋に辿り着く。

 

そこには…。

今回のターゲットの1人が、

ラジオから流れるピアノを聞きながら

たたずんでいた。

 

この地で行われている大量虐殺の首謀者として、

アメリカが狙うターゲットは2人。

 

一人は、クラヴィスが遭遇した

ジョージア政府の国務大臣である男性。

今回の暗殺指令での優先度は、

こちらの国務大臣の方が上でした。

 

【虐殺器官ストーリー③】

ターゲットに忍び寄り、

背後から拘束するクラヴィス。

 

そこでもう一人のターゲットの所在を

確認すると…、

すでにこのアジトを離れた後だという。

 

優先順位の高いこちらの男を

クリアできるだけでもラッキーだ

と判断したクラヴィスは、

暗殺前にできる限りの情報を

聞き出そうと質問を続ける。

 

「お前は、なぜ殺してきた?答えろ!」

すると男は狂ったように怯えながら

こう答えた。

 

『なぜ?わからない!』

『教えてくれ!俺は…なんで殺してきた!?』

 

男の返答に戸惑うクラヴィス。

 

そして、銃声が響きわたった…。

 

ジョージアで行われている虐殺の首謀者

と思われた国務大臣。

 

しかし、彼がクラヴィスに告げたのは

もう1人のターゲットは、ここには居ないこと。

 

そして、

なぜこの国で大量虐殺が行われているのか、

自分でも分からないということだけでした。

 

大量虐殺の首謀者と思しき男が、

その原因が分からないとはどういうことか?

 

この男が大量虐殺を扇動していたのではないのか?

とクラヴィスは訝しみます。

 

さらに質問を浴びせようとした瞬間。

 

この男を撃ち殺したのが、

暗殺部隊の仲間・アレックスでした。

 

【虐殺器官ストーリー④】

「アレックス…!?」。

「どうしたんだ?なぜ、こんなことを?」

 

非難の音も混じった声で

仲間に呼びかけるクラヴィス。

 

しかし、アレックスの様子がおかしい

と気付いたクラヴィスは、彼の銃口が

自分に向けられていることにも気付く。

 

引き金に掛かったアレックスの指に

力が入るのを感じたクラヴィスは…。

 

パンッ!ドダダダダッ!

 

アレックスに向けて、

自分の銃の引き金を引いた…。

 

と、ここまでが序盤のあらすじです。

 

クラヴィスが所属する部隊は

「情報軍・特殊検索群i分遣隊」と呼ばれ、

アメリカで唯一「暗殺」を専門とする部隊。

 

そのため厳しい肉体訓練のほか、

感情をコントロールするための精神訓練も

受けています。

 

何の躊躇もなく人を殺し、

そのことに何の感情も抱かない。

 

このように訓練されているクラヴィスは、

仲間(アレックス)を撃ち殺した後も、

安全に脱出することを優先し

無事アメリカへの帰路に就くのでした。

 

 

実は、この時点では

クラヴィスたちに知らされていなかったのですが、

アメリカが狙う本当のターゲットは、

トビリシで取り逃した

「もう1人のターゲット」のほうだったのです。

 

内戦から内戦を渡り歩くように暗躍する謎の男。

 

長年アメリカが追い続けている「アメリカ人」で、

その名前は…。

 

ジョン・ポール。

 

彼こそが、各地で頻発するテロや紛争・内戦など

大量虐殺の真の首謀者と目される人物。

 

本作の最重要キーマンでもあります。

 

 

先のトビリシの暗殺作戦から2年後。

クラヴィスたちi分遣隊は、

正式にジョン・ポールの「追跡」を命じられ、

プラハへと潜入することに。

 

果たして。

プラハへ潜入したクラヴィスたちを

待ち受けているものとは?

 

アメリカが狙うジョン・ポールとは?

 

ジョン・ポールの目的とは?

 

トビリシで殺された男が言い放った

「俺は…なんで殺してきた!?」の真意とは?

 

これらの謎が謎を呼び、

最終的に本作のタイトル「虐殺器官」へと

繋がっていきます。

 

 

「虐殺器官」とは何なのか?

については、本作の重要なファクターなので

ネタバレはしません。

 

ポイントは「機関」ではなく

「器官」であるところですかね。

さらに衝撃的なラストの終わり方も、

見逃せません。

 

 

なお、作中で「ジョン・ポール」

の名前が登場する辺りから

メインストーリーに入っていくのですが…。

 

この辺から

ちょっとムズカシイ内容

と感じるかもしれません。

 

特に「虐殺器官」に関するくだりや、

登場人物の心的状況を慮らないといけない箇所

などは、一読しただけでは「?」

となってしまうこともあるでしょう。

 

本作を面白く読むためには、

「じっくりと」読み込み、

その内容を吟味する必要があります。

 

そしてその理由は、

この漫画の「原作」にあるのです。

 

虐殺器官のおすすめポイント②(原作)

もう何度か書きましたが、

本作には「原作」が存在します。

 

下のコミックスの表紙にも書かれていますね。

 

ちょっと字が小さくて

分かりづらいかもしれませんが、

原作は「伊藤計劃(いとう けいかく)」先生

が書かれた同名の小説。

 

SFファンの方ならご存知でしょう。

日本のSF小説としては、かなり有名な作品です。

 

もう10年以上前になるでしょうか、

この小説を読んだのは。

 

「虐殺器官」は、

伊藤先生のデビュー作&代表作でして、

 

もともとSF小説とミステリーが好きなわたしは、

スゴイ作家さんが現れたな

と感心しながら読み終えたのを憶えています。

 

【作品概要】

漫画版「虐殺器官」は、

小説版「虐殺器官」の内容を

忠実に再現しています。

 

ですから、作品の概要も同じです。

 

チョットだけ私見を付け加えておくと、

「虐殺器官」というアイデアに

驚かされたのと同時に、

わたし的にはラストが衝撃でした。

 

漫画版のラストも同じなのですが、

「後は、皆さんのご想像にお任せします」

という、

いかにも小説的な終わり方をします。

 

本格SF小説というよりも、

ある種の文学的難解さもあわせ持つ

ミステリー風SF小説として堪能した作品です。

 

【作品データ】

作品名 虐殺器官
作者 伊藤計劃
出版社 早川書房
初版発行 2007年(平成19年)
電子書籍 あり

 

虐殺器官に続いて出版された長編小説

「ハーモニー(2008年刊)」

という作品も読んで、

伊藤先生のファンになってしまったのです。

 

…が。

 

残念なことに、

伊藤先生は2009年3月に34歳という若さで

この世を去ってしまいます。

(癌に侵されていたそうです)

 

そんなこともあって、

この「虐殺器官」という小説は

今でも記憶に残っている作品なんです。

 

その好きな小説がコミカライズされる

と聞いては、読まないわけにはいきませんよね。

 

そんな思い入れもあって、

今回取り上げることにしたのです。

 

 

で、漫画版の虐殺器官を読んだ感想ですが、

【作品概要】でも述べたとおり

「とても原作に忠実に描かれているな」

と言うのが率直な感想。

 

小説(しかも有名で難解な小説)を

コミカライズするのは、

とても大変な作業だと思います。

 

原作のイメージを損なえば叩かれるし、

かといってわざわざ漫画として描くからには

「漫画ならではのオリジナリティー」

も表現しなくてはなりません。

 

本作の場合それを実現しているのが、

麻生先生の「画力」。

 

わたしこれまで、麻生先生の漫画を

読んだことはなかったのですが、

スバラシイ画力を持った漫画家さんですね。

 

正直に言うと、わたしが小説を読んで

イメージしていたキャラクターとは

ちょっと違います。(美形すぎる)

 

でも麻生先生のキャラで読み進めていくと、

何かしっくりきちゃうんですね~。

 

内容は小説をなぞっているので

面白いのは間違いなく、

麻生先生の画力がプラスαを与えている感じ。

 

もちろんキャラだけでなく他のシーンでも、

ホラー感やミステリー感、サスペンス感などを

上手に醸し出してくれています。

 

名作と呼ばれる小説の内容を損なわずに、

圧倒的な画力で描き切ってくれた

麻生先生には大きな拍手を送りたいですね。

 

多くの方々に漫画版の「虐殺器官」を

手に取っていただき、

 

将来「名作漫画」として

読者の記憶に残るような作品になってくれたら、

 

天国の伊藤先生も喜んでくれるのではないか

と思います。

 

 

さて、そんな「虐殺器官」は

電子書籍化されています。

わたしがふだん利用している電子書籍通販サイト

ebookjapan(イーブックジャパン)

で試し読みが可能。

 

興味のある方は、

下の公式サイトを覗いてください。

 

ebookjapanの公式サイトを見に行く

 

 

また、原作(小説)の「虐殺器官」も、

同じくebookjapanで試し読みができます…が。

 

小説を読むのが苦手という方には、

耳で聴くオーディオブックをおすすめします。

 

Amazonのオーディオブック

「Audible(オーディブル)」なら、

長編小説も読まずに「聴く」ことが可能。

 

「虐殺器官」も、Audibleで発売されています。

 

虐殺器官を聴いてみたい!という方は、

下の公式サイトを覗いてみてください。

 

30日間の無料体験ができるので、

虐殺器官も無料で聴くことができますよ。

 

Audibleの公式サイトを見に行く

 

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